2022年度第2回例会(通算:第51回) メサイア・サミット

2022年度第二回例会「メサイア・サミット」報告

 

2月21日(火曜日)スタジオピオティータにて開催された「メサイア・サミット」。

書かれている通奏低音の数字がとても少ないこの曲を、他のチェンバロ奏者はどういう和声で弾いているの?

指揮者の要求に答えて弾いているけど、納得できない指示にモヤモヤ・・・など、通奏低音奏者ならではの疑問や意見を述べあおう、というディスカッション型例会となりました。司会、まとめ役は大塚直哉さん。まずはじめに大塚さんより「今日は結論を出さないで、皆さんの意見を自由に出し合い、お互いに耳を傾けましょう」という提案があり、サミット開幕です!

 

参加者のみなさんは、何度もメサイアを弾いたことのある方から、興味はあるけど全曲聴いたことがない方、リアライズされたパート譜で弾いているピアニストの方など、様々でした。

事前に参加者の方から集めていた質問に沿って話し合われました。特に白熱したのは、バス音同音連打の弾き方と、様々な解釈ができる和声についてでした。「オーケストラともっと馴染む弾き方はないかな」「私はここはゆっくりのアルペジオで弾いている」「私が考える和声はこう」「アクセントがつかないように一拍前に弾いています」「オクターヴ下の音を入れると、次のパッセージとの変化がつくので効果的なのでは」チェンバロを実際に弾きながら、また楽譜を見比べながらアイデアを出し合いました。日本ヘンデル協会運営委員の三ヶ尻正さんが参加され、様々なエディションの楽譜をダンボール一杯に持ってきてくださいました。深く感謝いたします。

 

そして、演奏者ならではの悩み「ここはヴァイオリンとタイミングが合いにくいですよね」「ここだけチェンバロが目立ちすぎてしまう」「和声の変化を意識していないチェリストにどのように伝えればいいのか」などの話には「わかるわかる」と深く頷く参加者の皆さん。

用意しておいた質問をすべて話し合うには時間が足りなくなり、ぜひ「続・メサイア・サミット」をという声もいただき、メサイアを通して、通奏低音の奥深さ、面白さを再確認する場にもなったと感じました。

豊富な知識とご経験から、率先してアイデアを示してくださり、さらに参加者の皆さんからも意見を引き出してまとめてくださった、まとめ役の大塚直哉さん、本当にありがとうございました。

 

 

当日アンケートより

 

本日は貴重な体験をさせて頂き、心から有難うございました。モヤモヤが解消された部分が多々あり、本当に勉強になり、今後に生かしてゆくのが楽しみになりました。勇気もたくさん頂き、有難うございました。

 

チェンバロの方がいつもどんな悩みを抱えているか一端を知れて興味深かかったです。「メサイア」の現場は時間のないことが多く、和声についての詳しい分析はとても面白かったです。多様なアイデアに感心しました。

 

色んな方のご意見を聞くことができて、とても勉強になりました。今後の演奏や勉強に活かしたいです。また、普段からもこのように周りのチェンバロ奏者と意見交換すれば良かったなと思いました。

 

「メサイア」のディスカッションという形式だったので、オーケストラのリハーサルを見ている様な感じでとても楽しかったです。実際に演奏もして下さったので譜面だけの世界ではなかったので、どの様に演奏すれば良いかわかりやすかったです。将来メサイアを弾いてみたいなと思いました。

 

何気なく聴いていたメサイアですが、チェンバリストの役割を掘り下げていくとまた違った魅力に出会えるんだと興味深かったです。

 

勉強になりました。第3音抜かす時うしろめたさがあったけど、状況により、よいとわかりました。迷ったあと、決めて試してみたいです。

 

私はまだ通奏低音を勉強し始めたばかりで、メサイアの曲は何曲かしかみたことがありません。なので、今日の大塚先生のお話も面白かったですし、受講生の実際やってみている経験、アイディア、エピソードも興味深かったです。今日の通低意見交換会、とても面白い企画だと思います!

 

実際にメサイヤを弾かれていらっしゃる方の現場のご意見、大変勉強になりました。こんなにもたくさん考えて、試して決めていること、驚きました。私にはとてもレベルが高い内容でしたが、楽しかったです。

 

大学内で一度オルガンで参加したとき、数字のことを中心にかなり苦労がありました。今回、気になる箇所の数字のアドバイスや、色んな方々がどのような数字で弾かれているか、などとても勉強になりました。今後チェンバロでも参加することになった際、数字以外でも今日得られたアドバイスを活かすことができれば嬉しいです。

 

通奏低音についてみなさんの意見を聞くことで、メサイアだけではなく他の曲の通奏低音に活かせると思いました。

 

和音について迷う部分は勉強していて何度もあったので、様々な人の意見を聞くことができてとても勉強になりました。

 

参加人数 17名

スタッフ 3名

まとめ役 大塚直哉さん

 

日本チェンバロ協会2022年度第2回例会(通算:第51回) 

メサイア・サミット

 

 ヘンデルのメサイア・・・明記されていない数字付き低音をもとに通奏低音を演奏する上での疑問、悩みの部分の解明や、他の人はどうしているんだろう?

などのあれこれを皆で洗いざらい話し合ってみよう!

というチェンバロ協会ならではの参加型意見交換の催しです。

聴講のみでも可能です。

 

2023年 2 月 21日(火)

18:30時開演 (開場18:00)

 

会員 無料

一般 3,000円

サポーター/学生  1,000円

 

定員20名 要予約

<ご入場の際:要マスク、検温あり>

 

・司会・まとめ役 大塚直哉

東京藝術大学大学院チェンバロ専攻、アムステルダム音楽院チェンバロ科およびオルガン科を修了。チェンバロ、オルガン、クラヴィコードの奏者として活発な活動を行うほか、これらの楽器に初めて触れるひとのためのワークショップを各地で行っている。現在、東京藝術大学教授、国立音楽大学非常勤講師。NHK FM「古楽の楽しみ」案内役。

 

・会場

スタジオピオティータ

東京都杉並区下高井戸4丁目22-34

http://ms-tms.com/studio-piotita/

 

・ご予約

ページ下部のフォームよりお申し込みください。

 

・お問い合わせ                              

日本チェンバロ協会 例会係

cembalo.reikai@gmail.com   

●メール件名に「メサイア・サミット」とご記入ください

 

 

・当日会員証/学生証の提示をお願いいたします

・持ち物:メサイアスコア  筆記用具 など

・申込み受付期間 1/8 - 2/20

 (満席の場合はキャンセル待ちとなります)

 

 

主催:日本チェンバロ協会

https://japanharpsichordsociety.jimdo.com/ 

 

お申込みフォーム

メサイア・サミットチラシ
2023.2.21-例会チラシ.pdf
PDFファイル 652.3 KB

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